一夜城 2018 12 23

 「一夜城」(いちやじょう)とは、
野戦用の陣地のような城であり、
一夜で建設されたものではなく、
非常に早く建設されたことを象徴しているのです。
 こうした一夜城では、
多くの人が、豊臣秀吉の一夜城を連想するでしょう。
 豊臣秀吉は、長期間続いた戦国時代を、
今風で言えば「スピード経営」で終わらせ、
全国統一を成し遂げたのです。
 豊臣秀吉の「決断力」と「行動力」は、
そのスピードが驚異的であり、
他の戦国大名も、天下統一という野心がありましたが、
結局、誰も、豊臣秀吉のスピードについていけなかったのです。
 今の日本は、「天下泰平」と言われた、
江戸時代の後期に当たるかもしれません。
やがて、「黒船」は、アメリカどころか中国からもやってくるでしょう。
 さて、現代にも「一夜城」があるかもしれません。
IT業界やインターネットの世界では、
「ドッグ・イヤー」と言われていて、
犬が1年で7歳も年を取るように、
1年で7年分も進化することがあります。
 だからこそ、創業して数年で、
世界的企業に発展してしまうこともあり得るでしょう。

書名 ニューズウィーク日本版 2018 12 25
   中国発グローバル・アプリ TikTokの衝撃

 さっそく、ニューズウィークから、
気になるところを引用しましょう。
 「TikTok」(ティックトック)を運営する、
「バイトダンス」(北京市)は、
創業6年のスタートアップ企業だが、
従業員数は、すでに3万人に達しているという。
 同社は、企業価値750億ドル(日本円で8兆円以上)と評価され、
検索の「百度」(バイドゥ)を上回り、
アリババとテンセントに次ぐ、
中国IT業界3位と評価されている。
 「TikTok」は、2年で急成長して、
150カ国超で展開していて、
中国で生まれた15秒動画SNSは、
AIを武器に若者たちをとりこにしている。
 今や、使い方も多様化していて、
「口パク」や踊りだけでなく、
料理や風景、動物、広告の動画もある。
 アメリカでは、
2018年夏より、爆発的な人気に火が付いた。
(引用、以上)
 なぜ、「TikTok」がヒットしたのかは、
「シンプルさ」と「簡単さ」にあると、
同誌は、分析しています。
「誰でも簡単に動画を撮れるTikTokは、インターネットの正統な進化だ」
 SNSマーケティング専門家の武田隆氏の話が書いてあります。
武田氏によると、インターネットの黎明期においては、
「個人が放送局になる」と言われながらも、
古くは、「HTML言語」がわからなければ、
ホームページは作れないというハードルがあった。
 最近では、動画撮影のノウハウがなければ、
「ユーチューバー」になれないなど、
新たなジャンルが生まれるたびに、
「個人が放送局になる」は、暗礁に乗り上げてきた。
 こうしたハードルを下げるために、
簡単に文字コンテンツを掲載できる「ブログ」、
140字の制限があるがゆえに気軽に発信できる「ツイッター」、
写真1枚しか掲載できない「インスタグラム」などが開発され、普及してきた。
 「TikTok」のイノベーションは、
この流れに即した、正統な進化だというわけだ。
(以上、引用)
 ただし、同誌は、
新しいソーシャル・メディアが現れるたびに付きまとう問題として、
「ステルス・マーケティング」や「青少年の保護」を指摘しています。

















































































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